Next Stage

Case Studyネクストステージの実績・事例

株式会社エムシス 代表取締役社長 瀧川 真雄 氏

宮城県仙台市内を中心に『焼きとん大国』『元祖仙台ひとくち餃子 あずま』など19店舗の飲食店を運営。全国300店舗展開を目指し、東北から全国へと活躍の幅を拡大中

取材日:2025年11月6日

売上昨対割れから営業利益2.1倍達成。「自分で考える」社員が“錆びついた”組織を動かす──今期は営利5倍に挑戦

既存店売上昨対割れ、役員退職。「根本から変えないとマズい」

どのような組織課題の解決のために『すごい会議』を導入いただきましたか。
瀧川

「全力でペダルを漕いでいるのに、会社が全然前に進まない」。そんな停滞感をコロナ明けの少し前から感じていました。


チェーンが外れた自転車のように手応えがなく、社内には“ぬるま湯”のような空気も漂っていたんです。思うような店づくりができないまま昨対割れが続き、役員が独立で辞めていくなど、象徴的なできごとも重なりました。「このままじゃまずい」──そう感じながらも、どこから手をつければいいのか見えなかった。


組織を根本から変えようと組織理念をつくり変えたものの、何も変わらない。今思えば、僕自身もうまくいかないことを人のせいにしていたのだと思います。


何が導入の決め手になりましたか。
瀧川

高須さんとは、過去に飲食店経営者仲間として知り合ったのがご縁です。90分の体験セッションですっかり感化され、即決で導入を決めました。


会社の“最高の状態”を描き、“今”とのギャップを埋める──「どうすればできるか」と思考するプロセスを体験するうちに、「あ、これは会社を立て直せる」と。組織を前に進めるための方法が「ここにある」と、まるで魔法にでもかかったようでした。


導入8カ月で営業利益2.1倍&幹部の成長が生まれた秘訣

導入からの約1年間で生まれた成果を教えてください。
瀧川

分かりやすいのは数字の変化です。昨対割れの連続から脱し、直近の決算では営業利益が前年比2.1倍。導入約8カ月で“しっかり利益を上げる”世界に変わりました。


でも、それ以上に効果を感じたのは幹部メンバーの成長です。『すごい会議』を筋トレのように繰り返すことで、3カ月が経つ頃には彼らの行動も数字も変わり始めた。導入初期に、ハイパフォーマンスを上げるノウハウをしっかりインプットしてもらったおかげですね。彼らが自走し始めたことが最大の価値です。


数カ月で人材成長が生まれたポイントは、なんだったのでしょうか。
瀧川

幹部陣は、基本的に真面目で一生懸命。当初は「ついていけないかも」と、弱気に相談してきたメンバーもいましたが、彼なりに壁を超えて以来急成長し、今や僕のコミットメントを奪いにくる勢いです(笑)。


数字が少しずつ変わり始めたことも、彼らの成長を加速させてくれました。当社は社員にP/L(損益計算書)を公開しているので、数字が思わしくなければ「自分たちがしていることは間違っているのでは」と、自信を失い、逆に好調なら「行動が効いている」と、力になる。結果が最大の肯定です。


この会議を通して、滝川社長ご自身はどのような気づきがありましたか。
瀧川

数字だけでなく、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の体現も念頭に置き、“二軸で進む”効果と必要性を実感しました。


僕自身は売り上げやP/Lなど目に見える数字への関心が強く、そこにフォーカスして運営するのが好きなんです。その結果、現場との会話も数字ベースばかりで、“理念経営”と言いながら僕自身が体現できていなかった。社員にはそこを見透かされていたのだと思います。


数字目標を掲げても、それだけでは現場は所有感を持ちにくいですよね。『すごい会議』では、MVVだけにフォーカスする時間もつくりながら「なんのための数字なのか」というストーリーを大切にして進めました。


もう一つの気づきは、“考える力”の重要性です。これまでは最短最速で成長しようと、SNS、マーケティング、店舗運営など領域別のプロに外注し、分からないことは彼らに聞くという方法を取ってきましたが、その副作用として、自力では考えられない集団になってしまっていた。


一方、『すごい会議』では自分たちで答えを出さないと前に進めない仕組み。脳の筋トレをするように考え続けることでこうして人も組織も成長していくのかと、体験しています。


現場のリアルな問題を可視化し、解決する

スーパーバイザー(SV)・店長向けプロジェクトも始動したそうですね。目的を教えてください。
瀧川

変化を幹部だけで終わらせないことが目的です。導入3カ月後には『すごい会議』、すごいなと実感し、その変化の輪をSV・店長クラスまで広げれば組織がよりレベルアップするイメージが湧きました。人材育成やマネジメントが当社の弱点。そこを強化できるチャンスと捉えました。


SV・店長向けセッションの効果はいかがですか。
瀧川

5回目までセッションを終えた段階で、僕たち経営陣がいかに現場の実態を理解できていなかったか、これまでどれだけ忖度(そんたく)し合う関係だったか、気づかされました。「これでは、うまくいかなくて当然だ」と。


それが今では、現場の本音=“真実”と向き合い、率直に話し合える関係性と文化が育ちつつあります。結果、僕自身が今までとは違う意思決定ができるようになった。昨日のセッションでもインパクトある意思決定が生まれ、「自分たちのやりたいことがやれる!」と、メンバーの目の色が変わりましたね。


N高須

昨日は、停滞傾向にある業態の改善を目的に、担当のSV・店長を集めてセッションを実施。SVや店長それぞれが「ひどい真実」を出し、問題を棚卸しした結果、出店方針やグランドメニューの刷新など、大きな方針変更が生まれましたね。


瀧川さんの素晴らしさは、成果に一点集中し、ご自身のこだわりや実績をいったん脇に置いて柔軟に意思決定できるところ。「どんな発言も受け入れる」「目標達成に効果的な選択をする」という、一貫性ある姿勢がメンバーにも伝わり、チームのエネルギーが上がっています。


参加メンバーの方の成長をどのように実感しますか。
瀧川

僕のなかの“人材戦略図”が、ガラッと書き換わりました。この会議では、一人ひとりの思考や行動が可視化され、本当の実力が見えてくる。以前は、忖度の上手さや印象に左右されていたんです。意外なメンバーが力を発揮している様子を見ると、「こんなポテンシャルがあったのか」と、今後の成長も楽しみです。


「やめる理由がない」広がり続ける成果と成長

これまでにない、新たな取り組みも生まれたそうですね。
瀧川

僕の長年の“販促アレルギー”が解消されました。これまでは「販売促進なんてしてたまるか」という考えで(笑)、情報誌への掲載もハッピーアワーもすべてNO。僕が却下してしまうことで、新しいアイデアが生まれにくい風土をつくってしまっていたんです。


でも『すごい会議』は、達成へのアイデアを出し尽くす場。僕がいない週次の会議でいつの間にか販促施策が意思決定され、実行することに。僕も目標達成のためなら「やる」の一択。結果、見事に数字は上がりました。


現場はやりたいと思っていたことに挑戦できて、しかも成果も出ている。やりがいを感じているはずです。凝り固まった思考を手放せたという意味で、僕自身が一番変わったのかもしれません。


N高須

現場の方々からすると、“試して検証する”動きが取れるようになったことが大きな納得感につながっているはずです。実施した先の結果も、うまくいった・いかなかったにかかわらず、すべてが学び。“アイデアを出せる”環境が、挑戦への好循環を生んでいます。


2年目も『すごい会議』を継続している最大の理由はなんですか。
瀧川

売り上げ・利益、人材成長といった成果が出ているので、やめる選択肢がありません。同時に、コーチがいないと遠慮や甘さが生まれ、今のクオリティで回せないことも分かっています。


将来的には、分科会や一部のプロジェクトを社内で自走させつつ、経営チームは高須さんにサポートいただきながら、成長の“壁”に挑み続ける体制が理想です。


高須コーチの魅力を教えてください。
瀧川

高須さんは、気づきを引き出すコーチングと、飲食の現場に効く具体的なコンサルティングの二刀流を見せてくれる“過去イチ”のプロ。僕らが目指すステージを前職時代に経験していらっしゃるので、信頼してなんでも相談できる。


会議の采配やファシリテーションも素晴らしく、言葉にならないことも汲み取って言語化してくれる様子に、毎回感嘆します。ともに成長しながら10年先まで伴走してもらいたいですね。


N高須

『すごい会議』2期目となる今期は、“営業利益昨対比5倍”が目標です。3カ月が経過した今、マイルストーンはオンタイムで進行中。それでも瀧川さんが現状に満足していないのは、基準が上がっているからこそ。さらなる達成をサポートしていきます。


“錆びついた組織”を動かし、自信みなぎる状態へ

『すごい会議』の「すごさ」とは、なんだと思いますか。
瀧川

錆びついていた組織に、超高性能な潤滑剤を注入してもらったような感覚です。自信を失って不活性化していた組織が、自分で考え、エネルギッシュに動き、役割を果たそうとする集団に変わってきた。


利益を生めない状態をつくっていたのは、性善説で楽にマネジメントしようとしていた僕の責任。「やり切る」と決めて徹底的にマネジメントする必要性を学び、当たり前の基準が一段上がりました。


どんなタイミングでの導入をおすすめしますか。
瀧川

まず、当社のように行き詰まり、「このままではマズい」と感じている成長志向の会社におすすめします。ブーストをかける意味でも、早く入れた方がいいと思います。


逆に、絶好調のときもいいんじゃないかな。よく動くエンジンにガソリンを入れるようなイメージで、さらに加速させられるはず。外部の人を入れたがらない経営者もいますが、それはもったいない。成長を欲するすべての企業が、導入を検討すべきサービスだと本気で思います。


今後のビジョンをお聞かせください。
瀧川

2032年までに300店舗体制をつくることを、社内外に掲げています。単なる規模拡大ではなく、東北から全国展開する初の飲食企業になるための挑戦です。


次世代の飲食店経営者が「あそこを目指そう」と、大きなビジョンを語りたくなるようなモデルケースに僕たちがなる。それが、地域貢献につながると信じています。その未来のためにも、高須さんの力を借りながら300店舗達成まで走り切ります。


ありがとうございました。