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Case Studyネクストステージの実績・事例

株式会社AlbaLink 代表取締役 河田 憲二

空き家や再建築不可物件、共有持分物件などの一般的な不動産会社では取り扱いが難しい「訳あり物件」の買取再販を主な事業に、借地・底地買取や土地買取など、多様な不動産取引に対応。2023年11月には東京証券取引所の東京プロマーケット市場に上場し、次なる展開に向けて全国各地への支店展開を進める

取材日:2025年1月29日

売上総利益前年比193% 過去最高実績達成。
“爆速”の問題解決が生みだす、人と組織の成長連鎖

「すごい会議入れた方がいい」価値観の共有と組織成長のために

導入の経緯と決め手をお聞かせください。
河田

当社のコーポレート部長の佐々木が、前職時代に森さんの「すごい会議」に参加した経験があり、「『すごい会議』を導入すべきだ」と、強くすすめられたことがきっかけでした。

実際に森さんとお話しするなかで、「すごい会議」は、何がなんでも意思決定して前に進めるためのフレームワークだと理解しました。

「これを1年間やり切れば、必ず変化が生まれる」————そう確信したことが導入の決め手です。


「すごい会議」で解決したい課題はなんでしたか。
河田

特定の課題があったわけではないんです。ただ、組織が拡大するなかで「みんなの向いている方向が少しずつズレている。組織の価値観を浸透させられていない」という、漠然とした課題感があり、そこと向き合いながら業績拡大を狙いました。


N

佐々木さんの意図としては、組織が順調に成長していているものの「常識を覆すほどの成長目標ではない」「何も決まらずに終わる会議を改善したい」という、2点を意識して導入を推奨したと聞いています。


河田

当社では四半期に一度、2日間の経営合宿を実施し、会社の未来について抽象度の高いテーマを扱っています。僕は、その会議で「議論し続ける」ことに価値を感じていますが、佐々木には、改善の余地があるように見えたのでしょうね。


目標に関しても、僕は堅実な目標を“着実に”達成する方針をとってきましたが、「もっと強烈に高い目標を立てれば成長率も上がるのに」と、感じたのだと思います。どちらも理解できます。


「“目標を立てなければ生まれなかった成果”が生まれた」

「堅実派」とのことですが、「すごい会議」が推奨する高い目標への抵抗はありませんでしたか。
河田

僕の言う“堅実”とは、組織の崩壊を避けたいがための表現です。仲間内で「この目標を目指す」と、合意さえ取れていれば目標の難易度は問いません。


ただ、目標の難易度調整に関しては、最適なラインを見つける難しさを感じました。


「高い目標を設定する」効果と、その難しさをどのように体験しましたか。
河田

「すごい会議」では、導入以前の粗利目標の130%で目標を設定しました。結果、2024年度の決算は当初の目標の120%で着地。売上総利益では、前年比193%の24億円という過去最高実績を達成し、「すごい会議」で目標を立てなければ生まれなかった成果が生まれています。


かといって、150%の目標にすればもっと伸びたかというと、僕が言うにはそれはフィクション。不動産は在庫を抱えるビジネスなので、ある程度は数式で結果が予測できる。社員の

「200%目指そう!」という言葉に乗れないのは、その確率が見えているからです。


決算月まで希望を捨てずに走ってこそ目標達成できるラインはどこか、見極める重要性を感じました。


業績向上に、「すごい会議」の何が効果を発揮しましたか。
N

プロジェクトを同時多発的に立ち上げ、超高速かつ短期で問題解決を進める仕組みが機能しました。


経営陣4名以外は、解決すべきテーマに合わせて最適なメンバーをその都度アサインする。問題解決のスピードが加速し、結果的に「すごい会議」の体験者も増えたことで手法が広く浸透しました。


今のAlbaLinkに最もフィットする方法を探した結果、行き着いたのがこの形です。


河田

当社の成長スピードは急角度で変化のスピードも速い。2カ月前に危機感を抱いて解決に奔走した問題も、今では議題に上がらないほど移り変わります。


だからこそ、「今、何が問題なのか」と、目の前の問題を短期サイクルでつぶす会議の構造が、フィットしましたね。


生産性に「明らかな違い」が生まれる、“発言のフォーマット”

具体的に、「すごい会議」のどんなコンテンツが成長スピードを加速させたのでしょうか。
河田

“提案”ベースで話が進むようになったことが、大きな変化です。


以前は、誰かの意見に対してコメントが続き、「で?つまりどうしたいの?」と、言いたくなる場面が多くありました。それが今は、「提案・質問・リクエスト」の発言のフォーマットが根付き、議論がグッと建設的になった。


どんな会議でも、最終的に価値を生むのは“提案”です。フォーマットが定着し、会話の生産性が高まったことは大きな貢献です。


「すごい会議」とは関係のない質問ですが、貴社の幹部メンバーは「会社を成長させたい」という思いが強いようですね。何がその状態をつくり出しているのでしょうか。
河田

偶然、そういうメンバーがそろっているとしか言いようがないですね。ただ、僕自身が「仲良くなれそうだ」と、感じた人を採用していることは事実。


社員に気持ちよく働いてほしいので、彼らがやりたいならやればいいし、納得できなければやらなくていい。社員の納得感や自主性を重視しています。


人材育成と組織改革を加速させる“社内コーチ”育成プログラム

「すごい会議」コーチの役割を担う人材を育成すべく、“社内コーチ”育成プログラム(ICTC)を2名の方に受講いただきました。かなり早いタイミングで受講を決定されたそうですね。
河田

佐々木が「社内コーチをしたい」と、手を挙げたことがきっかけです。僕自身も人の可能性を引きだすコーチングには、以前から価値を感じてきました。


組織づくりを進めるうえで目指すべきは自律組織。初日の「すごい会議」で、コーチのような人材が増えれば組織のパフォーマンスが上がると確信したんです。


社内コーチが会議を仕切り、共通のプロトコルを社内に浸透させていければ、間違いなく生産性は上がる。「すごい会議」の導入とほぼ同時に、社員2名の受講を決定しました。


社内コーチのお2人の成長について、どのように実感しますか。
河田

彼ら自身の成長が、最大の成果です。当社では、会社と社員のビジョンをすり合わせながら育成する制度を整えており、社員は誰でも好きなマネージャーと面談できる仕組みがあります。


そのなかでも、佐々木は大人気。彼と話すと「思考が整理される」と評判で、“佐々木チルドレン”が着実に増えています。

もともと力のある人材でしたが、ICTCのプログラムを受けたことで、相手の課題やモチベーションを引き出すスキルが向上しました。


もう一人のコーチ、池田についても、物事をロジカルかつ俯瞰的に捉える力が高まり、構造的に考える力がついた印象です。コミュニケーションもより的確になり、このプログラムを通じて確実に能力が開花しています。


社内コーチの存在によって、社内にどのような変化が生まれましたか。
河田

彼らの影響は大きいですね。特に、佐々木は「すごい会議」への熱量が人一倍高い。“事実”と“解釈”の使い分けや発言のフォーマットを使った言語化など、さまざまな手法を積極的に布教してくれています。


その甲斐あって現場の問題解決も進み、「すごい会議」導入から1年未満ですが、組織の上位20〜30%の社員には「すごい会議」が浸透している印象です。


「すごい会議」は劇薬か?コーチ次第で妙薬に

「すごい会議」の何が貴社にハマり、さまざまな成長が生まれたと思いますか。
河田

僕の想像以上に、「すごい会議」が“中庸”だったことが大きいかな。

正直、導入前は「すごい会議=劇薬」のようなイメージがあり、組織にバグを起こすくらいの強い刺激になるかもしれないと構えていました。でも、実際に森さんとご一緒して、その印象が変わった。

森さんは、「型」を押しつけず、当社の文化やフェーズをきちんと理解したうえで、本質を押さえて柔軟に進めてくれる。バランス感覚に優れた“中庸型”のコーチだからこそ、当社にフィットし、ここまで成果が出たのだと思います。


河田社長が日々の生活に取り入れている「すごい会議」のエッセンスがあればお聞かせください。
河田

僕が思う「すごい会議」のコアとは、いくつかあります。


まずは「提案すること」。そして、“事実”と“解釈”を分けて捉えること、人を承認すること、未来軸で話すこと。“人”と“問題”を切り分け、「どうすれば可能になるか」に思考を向けること、など。

どれも会議の場に限らず、日常のコミュニケーションでも意識して取り入れています。


どんなシーンで「すごい会議」を導入するのがおすすめですか。
河田

前進している実感がないときですね。ただ、前提として「すごい会議」は組織コーチングなので、参加者がコーチャブルな状態でないと機能しません。導入する側に本気で取り組む姿勢があることが必須条件です。


問題解決思考を持って自律的に動ける人材が育てば、組織の強い武器になる。「すごい会議」の思考を浸透させるメリットは大きいですよ。


「森さんには、チームで進む経営者が合う」

森コーチは、どのような企業・組織・経営者の方にマッチすると思いますか。
河田

カリスマ的なリーダーがトップダウンで引っ張るタイプの組織よりも、仲間と合意を取りながらチームで進めていくような経営スタイルにフィットすると思います。


最近は、そうしたスタイルを持つ若手経営者やスタートアップ企業も増えているので、そういったタイプの経営者との相性がいいんじゃないかな。


コーチから見た、河田社長の素晴らしさを教えてください。
N

河田さんの素晴らしさは、まず社員の皆さんから深く信頼され、愛されていること。そして、大きなビジョンを描くだけでなく、目標を的確に見極め、アクセルとブレーキを使い分けられる判断力と意思決定力を兼ね備えている点です。

さらに、メンバーを心から信じ、「彼らに達成させてあげたい」と願う思いの強さも、河田さんの人間的な魅力だと思います。


「『すごい会議』とは?」と聞かれたら、どのようにお答えいただきますか。
河田

会議の生産性を上げ、意思決定を加速させるフレームワークです。「なるほど、こうやればいいんだ」と、成長の種になる思考や手法を経営陣が理解し、人材が成長して数字が伸びる。この変化が生まれていることが、シンプルにうれしいですね。


自律自走する組織へ。空き家ゼロ社会を実現する

今後の「すごい会議」への期待をお聞かせください。
河田

森さんに何かを“与えてもらう”のではなく、大切なのは、自分たちがどう成長していけるかだと思っています。

僕の理想は、「すごい会議」を卒業し、自分たちの力で走れる状態になること。体を鍛えるトレーニングと同じで、理想の体をつくる方法を理解して実行できるようになれば、トレーナーは必要ありません。

僕たち自身で、自律的に組織を前進させられる状態を目指します。


N

僕が目指すゴールも「すごい会議」を卒業してもらうことです。みなさんが日常的に、自律的に問題解決し続ける集団として走り続けられるよう、引き続き支援します。


今後の貴社のビジョンをお聞かせください。
河田

当社は、空き家の買取再販事業を中心に、日本全国に約900万戸ある空き家をゼロにすることを目指しています。空き家の再生を通じて地方を活性化し、日本全体の価値向上に貢献することが、中長期的なビジョン。

その実現には、単なる売買にとどまらず、空き家の有効活用が不可欠です。今後は、全国各地に拠点を広げ、地域自治体と連携しながら、デジタルマーケティングとオフライン活動を組み合わせた取り組みを進めていきます。

ビジョンの具体化に向けて、マイルストーンの設計や組織づくりといった、緊急度は低くとも重要度の高い課題にも取り組んでいきたいですね。


N

直近で取り組みたいのは、長期ビジョンの実現に向けた2、3年後の未来図の解像度を上げるセッションです。「今」の先へと視野を広げ、未来への道筋をクリアにしていきましょう。