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Case Studyネクストステージの実績・事例

医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック 嶋崎 氏 / 森田 氏 / エイ

内科・呼吸器・消化器・循環器・アレルギー・皮膚科などを中心に9名の専門医を抱え、専門性が必要な疾患にも対応できる強みを持つ東京都杉並区のクリニック。在宅診療にも力を入れており、地域になくてはならないホームドクターとして存在感を発揮している。

取材日:2021年5月

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「自分たちで、クリニックを創っていく実感がある」
成長とは、なりたい自分になること

いつまでに、どう実行するか、自分で考える習慣がつく

「すごい会議」プロジェクトに参加したこの2年間で、ご自身にどんな変化がありましたか。
嶋崎

一番感じるのは「いつまでにやるか」という、期限の意識が強くなったことです。


漠然と「やりたい」と考えるのでなく、その「やりたい」を実現するにはどうすればいいかを、期日を前提に考え、行動できるようになった実感があります。


エイ

私は、半年前から「すごい会議」に参加しています。この会議のメンバーに入るまでは、誰かに指示されたことを現場で実行する側でしたが、今は目標達成のためのKPIや達成方法を自分で考え、進めていけるようになったことが大きな変化です。


森田

私の場合は、仕事をひとりで抱えがちだったのが、人に任せていけるようになりました。考えを共有し、コミュニケーションを取って仕事を預けていくという流れのなかで、以前よりも同僚との関係が良好になり、信頼関係が築けている気がします。


それらのご自身の成長に、「すごい会議」はどう影響しましたか。

それらのご自身の成長に、「すごい会議」はどう影響しましたか。
森田

毎週、進捗を報告する会議の存在が大きいですね。「やります」と宣言しているのに、「何もしていません」とは報告できません(笑)。持ち切れない量の仕事を抱えていては先に進まないし、周りに助けてもらわなければ、目標は達成できない。


責任を持って目標と向き合ったことで、仕事を渡すことのためらいよりも、達成を優先させられるようになりました。


嶋崎

私も週次の会議が影響していると思います。週に一度の報告があると思うと緊張感もあり、いい報告がしたいので「オンタイムにするためにやらなければ!」と、動くようになりました。自然と、期日の意識が身についたと思います。


エイ

この会議のメンバーになったことで、言われたことをやるのでなく自分で考える、指示を出す側になったことは間違いありません。


それだけ責任もやりがいもあり、「どうすれば担当する目標が達成できるか、周囲の人が動いてくれるか」と、考えながら動くことが習慣になりました。


エイさんは、希望してこのセッションメンバーに入られたのですか。
エイ

はい。院長との面談で「このクリニックで働いて今後どうなっていきたいか」を聞かれ、このメンバーに入りたいと自分で希望しました。


このメンバーに入ることは責任も役割もあり、評価される要素でもあるので、メンバーになれたことがうれしかったですね。


「すごい会議」の手法がご自身に根づいた、と、感じるのはどんなときですか。
嶋崎

スタッフに「じゃあ、どのようにすればできますか。」と、思わず聞いてしまったときですね(笑)。意思疎通が大事な業務の中で、このフレーズを使って質問すると、ちゃんと聞きたいことが返ってくる。無意識のうちに使っています。


主力の3事業を担い、成果を生み出す幹部チーム

今期から「外来診療」「在宅診療」「法人/自費診療」という3本柱を目標に据え、皆さんが主担当となって3領域の向上を目指しているとお聞きしました。
嶋崎

「すごい会議」のプロジェクトとして、今期から領域別の3本柱を設定しました。それぞれ、患者数や売上を増やすことでクリニックの成長を実現する重要な柱です。


3本柱のそれぞれの領域において、これまでにどんな成果が作られ、何によってそれが生まれたかお聞かせください。
森田

「在宅診療」では、診療件数が増加し、残り数カ月で目標数字を達成できそうな状況です。


在宅診療を希望する患者さんは一定数いらっしゃり、かつ、病院側でも入院から在宅へのシフトが必要になるタイミングがある。


その需要と「いりたに」の存在を結びつけてもらうために、パンフレットを作成して一般病院を訪問し、在宅診療の存在を知らせたり、専門医がいる専門性をアピールしてご紹介を依頼したり。さまざまなアイデアに取り組みました。


施策打つほどに反応があり、試行錯誤しながらも「何をすればいいか」を常に考え行動し続けることの効果を実感しています。


嶋崎

私が担当する「法人」や「自費診療」は、クリニックとしても新たな取り組みのため、すべてをゼロから立ち上げました。


たとえば、今年4月に健診センターをクリニックの地下にオープンしたり、皮膚科を新設し、新たなメニューを導入したり。業者さんとのやりとりからオペレーションまで、準備中のものもありますが、まずは稼働できたとことが一つのうれしい成果です。


本来の私の仕事は臨床検査技師なので、ゼロから何かをつくり上げる仕事は初めてなんです。この会議がなければ、どうしていいかわからなかったと思います。


週次や毎月の会議で「これで間違えていない?このまま進んで大丈夫?」と、不安や懸念を早めに解消し、アドバイスをもらいながら進めたことで、自信を持って進めました。


エイさんが担当している「外来診療」は、患者数が落ちてきていたそうですね。
エイ

コロナ禍の影響で、診療時間を短縮したことが影響していました。現在は、スタッフの人員も十分にそろったことで診療時間をもとに戻し、発熱外来も開始したことで患者さんの数も戻りつつあります。


他にも、LINEやFacebook、YouTubeなどのSNSを活用してクリニックの情報を発信しています。SNSの管理は手間がかかるものの、最近では、作業を分担して計画的に運用できるようになり、PRの効果も体感しています。


みなさんは採用活動やスタッフの教育も担当されていると伺いました。
エイ

人材採用の面接を3人で担当しています。さらに、嶋崎さんは入社後の理念教育を担当し、私は実業務の育成を担当しています。


私は、人に頼むよりも自分でやってしまいたいタイプなのですが、目標達成は、一人ではできない。「チームでやる」「人を育てる」ことを、私自身が意識するようになりました。


また、患者さんから「受付の対応がよかった」「クラークが声をかけてくれてうれしかった」など、お声をいただくこともあり、人の教育がリピーターを増やすことにつながることも実感します。


このクリニックは「自分たちがいて、できあがる」

クリニックの通常業務と経営に関わるミッションを抱えていらっしゃるみなさん。「いりたに内科クリニックならでは」のやりがいを教えてください。
森田

他のクリニックではできない経験ができます。


私は、前職が医療コンサルタントなので、さまざまな医療機関を見てきましたが、通常、事務は事務の仕事だけを、検査技師は検査だけを担当する職場がほとんどです。


でも、いりたにクリニックでは、一人ひとりが目標を作り、「なりたい自分」を発表する場がある。ただ働くのでなく“個人の成長”が求められます。「自分で考えて動いてください」という環境で、自分がどうなりたいかが見えてくる。


その上で、この会議のメンバーに選ばれることでなりたい自分を目指せる実感もある。院長からの期待も感じるからこそ、達成できたときの喜びは大きいですね。


嶋崎

前職では、「技師として任された業務をやっているだけ」という、感覚でした。でも、ここでは経営に踏み込み「クリニックを自分たちでつくっている」実感を強く感じます。自分たちがいて、この「いりたに」ができあがる感覚があるんです。


経営に携わるプレッシャーはありますが、楽しくもあり、自分たち色に染めていける手応えを感じています。


エイ

これまでの2つの職種を経験していて、1つ目はデスクワーク、2つ目は営業職でした。


医療業界は初めてですが、ここでは事務の仕事もありながらも、経営に関する数字や売り上げのことも考えられる。どちらの仕事も好きで、2つの仕事を自由にバランスを取りながら自分の裁量で進められることが、私には魅力。


スキルアップできる職場です。


「いいね」と褒められる、結果が出る。その先に進みたくなる

当初はプロジェクトを「やらされている」「やらなきゃいけない」という感覚もあったかもしれません。「やりたい!」という前向きな状態に変わったきっかけがあれば教えてください。
嶋崎

私は、単純に、褒められることがうれしかったんです(笑)。担当する中で、院長やスタッフに「この案いいね」と、言われると成長実感があり、うれしくなってやる気につながりました。


エイ

私はこの会議に参加する以前に、院長から「何かひとつ目標を立ててやってみませんか?」と、提案されたことがあったんです。


やってみると実際に成果が出て、自分に自信がつきました。そこから「『すごい会議』もやってみたら達成できるかもしれない、やってみよう」と、希望したのが経緯です。


その力の湧くような感覚は、会議メンバーになったことで、さらに強くなっています。


森田

決めたことを計画通りに実行できて、結果に結びつくと「こんなこともできるじゃん」「これでいいんだ」と、自信がつくんですよね。


「方向感覚は間違っていない、じゃあ次はこうしてみよう」と、自然と他のことにも挑戦したくなりました。


”なりたい自分になる場”があるのが、いりたに「らしさ」

成果の実感や、周囲からの承認がやる気を後押ししているのですね。 「なりたい自分」を目指す文化の中で、今後ご自身が「こうなりたい」と描く未来像を教えてください。
森田

まだ明確には見えていないところもありますが、一つあるのは、在宅診療という部署を居心地のいい部署にしたいということです。他の部の人に「在宅に行きたい!」と言われる環境をつくっていきたいですね。


嶋崎

私は、臨床検査技師として仕事をしながら経営にも携わっている今の状態に、まだまだ余裕がないというのが正直なところです。


ただ、こういう働き方を経験したことで、検査技師としてだけでなく、経営面やその他の領域も経験しながら幅広く仕事ができる人材になりたい、そう思うようになりました。


エイ

将来的には母国に帰る予定ですが、日本にいる間はできる限り経験を積みたいと思っています。


医療事務にプラスして経営のこと、SNSを活用する知識のことなど、幅広くビジネスに関わり、成長していきます。


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